緊急時における秘密文書等の取扱要領

1 対象

防衛秘密の保護に関する訓令(昭和33年防衛庁訓令第51号)及び秘密保全に関する訓令(昭和33年防衛庁訓令第102号)に基づき秘密に指定された文書、図画又は物件及び将来当然秘密に指定されるべき文書、図画又は物件(以下「秘密文書等」という。)を対象とする。

2 保全、保護の事前対策

管理者は、緊急事態に備え、秘密文書等の保全、保護のため、常に次の事項に配意するとともに、その態勢を確立しておくものとする。

(1) 不用又は不急の秘密文書等は、すみやかかに、破棄又は指定者、送達者に返納するものとする。

(2) 秘密文書等の保管は、必要最小限にとどめなければならない。

(3) 秘密文書等の貸出しは、用済後はすみやかに保全責任者に返納させるものとするが、要すれば、閲覧方式又はその日のうちに返納させる等の措置を講ずるものとする。

(4) 保管容器は施設の状況等を勘案し、防護上最も安全と認められる場所にあらかじめ集結しておくか又はいつでも集結できるような態勢を確立しておかなければならない。

(5) 秘密文書等の保管は、必ず所定の容器に格納し、施錠を完全にしておかなければならない。

(6) 緊急時に他の安全な場所へ移管する必要があると認められる秘密文書等については、その持ち出し順位、持ち出し方法、他の安全な場所への移管方法及び要員等をあらかじめ定めておかなければならない。

(7) 保全、保護措置について随時指導点検を行ない、緊急時に際して、いたずらに混乱を招かないよう周知徹底させるとともに、緊急事態に備えた訓練を行なう等なし得る限りの措置を講じておくものとする。

3 緊急事態における保全、保護の措置

管理者は、緊急事態が発生し又はそのおそれがある場合においては、次の方法等によりなし得る限りの保全、保護措置を講ずるものとする。

(1) 秘密文書等は、最も安全と認められる場所に集結して防護措置を行ない警備を容易にする。

(2) 破棄しなければ秘密文書等の保全、保護がはかれないと認めたときは、秘密度の高いものからなし得る限りの破棄(焼却、粉砕、細断、溶解、破壊等の方法)を行なうものとする。

防防調第793号

44.4.18

技術研究本部長 殿

防衛事務次官

緊急時における秘密の文書等の取扱いについて(通達)

緊急事態における秘密の文書等の取扱いについては、「秘密保全に関する訓令」第46条第3項及び「防衛秘密の保護に関する訓令」第41条第2項において、秘密の文書等を所持する職員が破棄できることなどの規定により、機関によっては細部の配慮がなされているところであるが、最近の情勢は、過激学生のゲリラ的活動、アナキスト・グループのテロ活動などが発生する危険をはらんでおり、防衛庁、自衛隊の施設のみでなく、関連産業工場などへの攻撃も懸念されるところから、下記事項に配意し、秘密の文書等の保全、保護に遺憾なきを期されたい。

1 事前情報の把握と連絡方法の整備

所轄治安機関等との連絡を密にし、不法分子の動向を事前に把握して、相応の準備ができるよう心がけるとともに、緊急事態に際しては、治安機関及び関係者への速報ができる体制を整備しておくこと。

2 保全、保護対策

保管する秘密の文書等について、当面の事務遂行上の必要の有無を点検し、不用、不急のものについては、返納するなどの措置をとること。

また、不法分子の攻撃などの緊急事態の発生等が予測される場合においては、事前に安全な施設へ移管できるよう、移転先、持出区分、輸送方法等を定め、早急な移転のための態勢を準備しておくこと。やむを得ず移転できないものについては、施設内の最も安全な場所に集中して維持をはかり、維持が困難となった場合には焼却、破壊などの措置がとれるよう、場所の選定、責任区分などの態勢を確立しておくこと。

3 取扱要領の制定又は点検

緊急事態における、持出、移管、破棄等の細部手続をすでに定めている機関にあっては、下部機関においてこれが実行されているか否か指導点検を行なうこと。また、その定めのない機関にあっても、同様の配意のもとに適切な措置をとること。

4 職員に対する指導

緊急事態に際し、いたずらに混乱を招かないよう、秘密の像保全責任者、同補助者、取扱者に対して、指導教育を徹底するとともに、要すれば、緊急事態に備えた訓練を行なうなど必要な措置を講ずること。